舞い。

旦那と娘は、夜に再会すると「舞おう!舞おう!」と言って、奇妙なカラクリ人形のような舞を踊る。 夜にやるにはいささか階下の方に迷惑だと思うので、微笑ましいと思いつつも止めに入るのが私の仕事だったりします。
そんなある夜、いつも通り私が娘を寝かし付けていたのですが、娘は何やら寝付けない様子で襖を開けたり閉めたり、部屋を出たり入ったりして落ち着きません。 寝た振りをしながらその様子を見ていたのだけど、そうしていると娘は突然、自分の布団のうえへ戻るやいなや遠慮気味に小さく数回チョコチョコと舞いバタンと倒れこんだのです! 寝る覚悟を決めたようでしたが、突然の思わぬ行動に呆気に取られたと共に、薄暗い寝室に浮かんだ小さなその舞いがとても滑稽で、私は寝た振りをしながらもピクピクと痙攣せずにはいられませんでした。 う、うぷぷぷぷ・・・!
何やら自分には立ち入れぬ、父と娘の深い絆を見たような気がした夜だったのでした。